特車申通行許可の取得にかかる時間
特車通行許可の申請から取得までにかかる時間は、
行政が目安とする標準処理期間は約1か月となっています。
しかしながらこの「1か月」はあくまで目安であり、申請内容により前後します。
実際にはこの標準処理期間を超えるケースがほとんどで、場合によっては3か月超のケースもあります。
ここでは、申請内容による審査期間の違いと審査の流れを解説していきます。
「協議あり」か「協議なし」か
特車申請の内容は「協議あり」「協議なし」に大別することができます。
協議有無により審査の流れが大きく異なり、許可取得にかかる時間にも大きく影響してきます。
この協議とは道路管理者による個別協議のことです。
申請内容に以下のケースが含まれる場合に個別協議の対象となります。
1.経路に未収録の道路・交差点が含まれるケース
申請中の特車経路に「未収録道路」「未収録交差点」が含まれる場合、
その道路・交差点の管理者にて個別協議が発生します。
「未収録道路」「未収録交差点」とは、特車申請システム・道路便覧に道路に関するデータのない道路・交差点です。
これら道路・交差点の通行可否はシステム上で算定することができないため、申請毎に個別に審査してもらう必要があります。
実際の申請においては、出発地・目的地が市区町村道に接している場合にこの道路が未収録道路である場合が多いです。
ほとんどの申請がこの未収録のケースで「協議あり」に該当するものになります。
2.申請車両が超重量・超寸法のケース
経路に未収録道路等が含まれていない場合でも、車両の重量・寸法等が一定値を超えると個別協議が発生します。
通常であれば収録道路の通行可否は自動算定されますが、算定可能な重量・寸法等に限度値が設定されています。
この限度を超える車両の通行については上記1のケース同様、道路管理者により個別に通行可否を審査してもらう必要があります。
重量や寸法について基準緩和を受けているような車両は特にこのケースに該当する場合が多いです。
例えば幅が3mを超えるような車両の場合は全経路にわたって個別協議の対象となります。
個別協議のない申請の場合
上記のような個別協議のない申請の場合、およそ1か月前後で許可取得となるケースが多いです。
例えば国道事務所への申請の場合、申請先国道事務所内で審査が完結するため
後述する協議あり申請に比べてスムーズに許可が出るものと思われます。
ただし、申請先機関の審査手順や混雑状況により協議なしのケースでも時間を要する場合もあります。
個別協議のある申請の場合
上記のような個別協議が含まれる申請の場合、許可取得まで2か月~3か月あるいはそれ以上かかるケースがあります。
時間がかかる要因としては審査の流れの違いや申請の集中による混雑が考えられます。
協議ありの申請は年々増加傾向にあるようで、申請データを提出してから審査が開始するまで順番待ちの時間が発生しています。
国道事務所への申請のケースで着手まで1か月~2か月かかることがほとんどです。
審査着手後は書類チェックを経て道路管理者別の個別協議に移りますが
この個別協議についても順番待ちが発生している場合も多く存在します。
混雑している都道府県等では協議開始まで数か月という場合もあります。
このように、協議ありの場合では(1)審査が複数個所で必要、(2)各所で混雑により待ち時間がある、の2つの理由により
許可取得に大幅に時間がかかる傾向にあります。